看護師の勤務体制とプライベートとは?

やっぱり忙しい?看護師の勤務体制

看護師の勤務体制

看護師の勤務体制

入院施設のある病院では、24時間365日常に誰かが患者さんのケアをしなければなりません。そのため、看護師はシフトを組み、交替しながら勤務をこなしています。看護師の働き方は、大きく分けて「日勤」と「夜勤」があります。
日勤の勤務時間は病院によって異なりますが、大体8時30分から17時までが多いようです。このほか8時30分から20時過ぎまで働く長日勤や、通常より早めに出勤する早番、遅めに出勤する遅番といった働き方もあります。
通常はこの日勤に加え、月に数回夜勤に入ります。子育てや家族の介護などを理由に日勤のみで働く看護師もいますが、夜勤に入れば夜勤手当をもらえるため、多くの看護師が日勤と夜勤両方に入る常勤の働き方を選択しているようです。
一般的な病院での勤務形態は、「2交代制」「3交代制」に分けられています。

勤務体制表

現状、2交代制をとっている病院は全体の30%、3交代制が70%と、3交代制を導入している病院の割合が多めです。しかし、近年では2交代制を希望してる看護師が増えているので、2交代制を取り入れる病院も増加傾向にあります。2交代制と3交代制の詳細については、以下で説明していきます。

2交代制とは

2交代制とは

2交代制では、1日を「日勤」と「夜勤」に分けて勤務を行います。時間帯は病院によって違いますが、忙しい時間帯に合わせてシフト組みされています。これまでは日勤と夜勤を12時間ずつで交代するスタイルが主流でしたが、近年では日勤が8時から17時まで、夜勤が16時から9時までという割り振り方が一般化しつつあります。1回の夜勤で、だいたい1、2時間の仮眠時間を設けているケースが多いようです。
2交代制は1日の勤務時間が長いものの、月の夜勤回数は2回から4回程度なので、無理のないペース配分で働けます。また、夜勤明けはその日1日フリーになるので、午後から遊びに出かけたりゆっくり休息することができますね。さらに翌日が休みになるようシフトを組んでもらえる職場もあるため、2連休のような感覚で過ごすこともできますよ。
ただし、やはり長時間勤務になるため、「疲れが取れにくい」「集中力が続かない」というデメリットも生じてしまいます。そのため、体力的に自信がない看護師には向いていないかもしれません。若い頃は2交代制でバリバリ働き、年齢を重ねてから3交代制に切り替える看護師も多いようです。

3交代制とは

3交代制とは

3交代制では、1日を「日勤」「準夜勤」「深夜勤」に分けて、8時間ずつ勤務します。現在の病院では、この3交代制が一般的です。病院によって変わりますが、大体の勤務時間は、日勤が8時30分から16時30分まで、準夜勤が16時から0時30分まで、深夜勤が0時から8時30分までです。休憩時間は、45分から1時間程度になります。
3交代制は準夜勤・深夜勤ともに勤務時間が短いため心身ともに比較的負担を感じずに働くことができ、業務に集中して取り組めるというメリットがあります。また、拘束時間が少ない分身動きが取りやすく、空いた時間にちょっとした用事を済ませることも可能です。
しかし、3交代制はシフトや休みが不規則になりがちなので、それにうまく対応できない看護師も多いようです。夜勤の回数も準夜勤・深夜勤合わせて月に7、8回程度となり、休みが少ないと感じてしまうかもしれません。スタッフを十分確保できている病院では無理なく働けるシフトが組まれているようなので、気になるようでしたら事前にシフト編成なども調べておきましょう。

夜勤手当について

夜勤手当について

夜勤に入ると、夜勤手当が支給されます。たくさん稼ぎたい看護師にとって、夜勤手当は大きな魅力でしょう。
なお、労働基準法によって、22時から5時までの勤務に対しては、通常勤務の25%増しとなる深夜割増賃金の支払いが定められています。深夜割増賃金の支給対象となる勤務時間が多い分、夜勤手当は3交代制より2交代制の方が高くなるようです。
夜勤手当の平均額は、2交代制の場合は1回の夜勤で1万から1万5000円程度。3交代制であれば、準夜勤の場合3000円から5000円程度、深夜勤の場合は8000円から1万円程度のようです。もちろん夜勤に入る回数や経験年数、資格の有無などによって、夜勤手当の支給額は変動します。
ちなみに求人情報に記載される夜勤手当は、通常1回あたりの支給額を提示することが多いようです。しかし、求人によっては夜勤手当が月単位で提示されていたり、月給に夜勤手当が含まれていたりと、手当の支給額が不透明な場合もあります。「思っていたより夜勤手当が安かった」という事態にならないよう、転職の際はどのような形式で夜勤手当が支払われるのか、担当者にしっかりと問い合わせておきましょう。

72時間ルールとは

72時間ルールとは

看護師には、「72時間ルール」というルールが設けられているのをご存知でしょうか。これは、看護師の夜勤時間の合計を夜勤に入る人数で割った数字が72時間以内になるよう定められた制度で、夜勤に入る看護師の負担を軽減するために作られました。ただ、これまでは夜勤時間の合計が16時間以下の看護師はこのルールにカウントできなかったため、夜勤にあまり入れない看護師の採用を躊躇する病院もあったようです。
しかし、2016年に診療報酬が改定され、夜勤時間の合計が「16時間以下」から「8時間未満」に変更されました。これによって家庭の事情などで夜勤を多くこなせなかった看護師もルールにカウントできるようになったため、夜勤時間が短い看護師の採用人数も増加。分母が増えた分、看護師一人ひとりの平均夜勤時間は減少傾向にあります。しかし、これはあくまで平均値なので、夜勤に多く入れない看護師の代わりに誰かが長時間夜勤をこなさなければならなかったり、人数が少ない場合には逆に一人あたりの負担が増えてしまったりというリスクもありました。
そのため、日本看護協会は2018年に、「3交代勤務の場合夜勤は月8回以内とする」「就業時間と始業時間の間に11時間以上の勤務間インターバルを取る」といった改善策を提言。これにより、誰かに業務負担が極端に偏るようなケースは大分減ったと言われています。

看護師の休日

看護師の休日

看護師は大変重労働であり、精神的にもストレスがたまりやすい仕事です。しかし仕事とプライベートをうまく切り替えられれば、充実したナースライフが過ごせるでしょう。プライベートが充実してると、仕事のモチベーションも上がりますよね。
病院での勤務はシフト制がほとんどなので、看護師は事前に決められたシフトに沿って休日を取ります。土日に決まったお休みが取れるわけではありませんが、その分平日に休むことができます。週休2日制や4週8休を採用している病院も多いです。混雑しない平日にゆっくり買い物を楽しめたり、お盆や年末年始を避けたシーズンオフに旅行をしたりと、シフト制の勤務ならではのメリットがあることも特徴です。
年間休日数は、100日以下の病院から120日以上の病院までさまざまです。それに加え、有給休暇や産前産後休暇、育児休暇、介護休暇、さらにリフレッシュ休暇や誕生日休暇といった特別休暇を採用している病院もあります。それらの休日をうまく活用し、仕事とプライベートのバランスを取りながら働きましょう。

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